岸田政権肝いり「児童手当拡充」は+6000円ぽっち…愚策に愚策を重ね“世代間対立”をあおる
えんぴつナメナメのセコイ制度設計に落ち着きそうだ。
岸田政権肝いりの「次元の異なる少子化対策」の目玉に位置づける児童手当の拡充。支給対象を現行の中学生以下から高校生まで拡大することを踏まえ、整理を検討していた「扶養控除」の見直し案が判明した。
所得税の控除額は現行1子につき年38万円から25万円に、住民税は33万円から12万円にそれぞれ引き下げる。控除を縮小しても全世帯で児童手当の増額分(原則年12万円)が上回るというのだが、差し引きのプラス効果は給与収入1160万円(課税所得695万円)未満の層だと7万2000円に過ぎない。
月額6000円とはショボすぎる。ないよりはマシとはいえ、すでに高校の実質無償化に伴い、2011年度から16~18歳までの特定扶養控除の上乗せ分(25万円)が廃止された経緯もある。
「扶養控除の対象から外れる中学生以下とのバランスを取ったのでしょうが、中学生以下の控除がないのは、民主党政権の『子ども手当』創設で16歳未満の年少扶養控除(38万円)が廃止されたため。自民党は12年の衆院選でその復活を公約に掲げたのに、10年以上経っても実現する気はサラサラありません」(立正大法制研究所特別研究員・浦野広明氏=税法)