パリ五輪「馬術団体」銅メダルは競馬ファンのおかげ? 92年ぶり快挙の陰にJRAの強力後押し
フェンシングはコスパ最高で「最もオリンピックに近い」
フェンシング男子エペで金メダルに輝いた加納虹輝選手(26)の快挙もすごかった。このフェンシングだが、「最もオリンピックに近い」といわれる競技でもある。
全国高校体育連盟に登録している高校は男女合計356校、選手は2768人しかいない。奈良県にいたっては県立奈良商工高の1校のみのため、毎年、高校総体に出場できる(20年はコロナで中止)。全体の競技人口も減っていて、1980年代には1万2000人といわれたが、今や4000人を切るまでになってしまっている。
「岩手や福井など地方の高校だと1回勝っただけで即、高校総体に出場できたりします。練習も週2~3回という学校が多いですね」(スポーツ記者)
もっとも、競技を始めるに当たっての費用はかなり安め。コスパ重視の最近の若者には合っているかもしれない。
「用具代は、試合用の電気サーブルとマスクが2万~3万円前後。白いユニホームは上下で2万円ほどです。日本フェンシング協会は会員1万人を目指して中期計画中で、広報活動の強化や初心者の練習参加を促しているところです」(前出の記者)
同じマイナー競技でもカヌーは競技用カヌーだけでも100万円以上、アーチェリーも弓だけで15万円以上する。馬の購入費用だけで数億円もする馬術は別格として、フェンシングはコスパとしてはやはり最高だ。
初心者がフェンシングをやれる場所も意外に多く、東京の「世田谷フェンシングクラブ」は年会費1万2000円(ビジターは1回500円)で練習に参加できる(毎週金曜夜・区立大蔵第二運動場体育館)。夢はでっかく、将来のオリンピック選手だ。