鳥インフル流行スタートで“卵ショック”再燃の兆し…養鶏業者から悲鳴、Xmas需要を直撃

公開日: 更新日:

 農水省も対策に乗り出している。殺処分が増えた原因には、養鶏業の大規模化がある。農水省は殺処分の対象を少なくするため、衛生管理を分割する「分割管理」を周知しているが、前出の養鶏場関係者は「大規模化により生産コストを安くしている。分割管理は生産効率が悪く、設備投資や人手もかかる。コスト的にとてもできない」と漏らす。実際、一大産地である茨城県の採卵鶏農家101軒(22年2月1日時点)のうち、分割管理を採用した農家はゼロだ。

 流行が小さいことを祈るばかりだが、やっかいなのは、昨季の大流行の傷がいまだに癒えていないことだ。

「飼育鶏を殺処分した養鶏場が完全に元の出荷量に戻るには1年近くかかります。昨季、いなくなった1600万羽に対し、回復したのは1000万羽。まだ道半ばです。そのタイミングで次の流行が来てしまった。もし、大流行になれば、昨季以上の“卵ショック”が起きてもおかしくありません」(鶏卵卸関係者)

■クリスマス需要直撃


 足元の価格は1キロ250円と最高値から100円下がったが、ロシアのウクライナ侵攻前の22年1月の150円と比べれば、まだまだ高い水準だ。昨季のように鳥インフルが猛威を振るえば、最高値を更新する恐れがある。

 12月はクリスマスケーキやおでんなど卵需要が最も旺盛な時季だ。卵ショック再燃はごめんだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    ふざけるな、石破政権もサラリーマン増税かよ!潰れたはずの「退職金課税」政府税調で再浮上

  2. 2

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  3. 3

    斎藤元彦知事「百条委」の欠席理由「全国知事会」はそんなに重要? 自身の過去出席率は4割弱

  4. 4

    玉木雄一郎氏に「包囲網」…“グラドル不倫”騒動収まらず、自民・立憲・財務省で思惑一致

  5. 5

    裏金自民「企業・団体献金の禁止」そっちのけで「個人献金の税制優遇」だあ?カネ集めのためなら“斬新策”次々

  1. 6

    飛び交う玉木雄一郎代表「12月辞任説」…国民民主党ついに倫理委員会で“グラドル不倫”調査

  2. 7

    自民裏金議員12人が“ドサクサ復権”の仰天! 党役職抜擢の全員が政倫審での弁明は拒否した面々

  3. 8

    物議醸す石破首相の「座ったまま握手」は外務省の大失態! 外交デビューにミソ、元国際情報局長バッサリ

  4. 9

    1ドル=160円台の“悪夢”再来か…植田日銀「利上げは情勢次第」発言でズルズル円安に

  5. 10

    三井住友建設×東急建設 円安が業績を直撃しかねない準大手ゼネコン2社を比較

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末