1ドル=158円突破! 利上げにビビる植田日銀では「円安地獄」は止まらない
1ドル=160円を超えたら青天井
日米の金利差が約5%も開いている現状では、日銀が1~2回利上げしても金利差は4%に届かないという。金利差が埋まらなければ、円安進行の要因は残されたままである。円は対ドル以外にも落ち込み、円相場は16年ぶりに1ユーロ=169円台前半にまで下落。対カナダ・ドルでは17年ぶり、対豪ドルでは10年ぶり、対英ポンドでは9年ぶりの安値を付けた。
「足元の円安は、慎重に利上げしたところで歯止めが利くようなレベルではありません。裏を返せば、少し利上げしたところで急激に円高に振れることもないでしょう。日銀は何としても円高・株安を避けたいようですが、このまま円安が進行しても日本経済に大打撃です。円安を歓迎してきた企業でさえ、コスト増に対応できずにいる。円相場の次の節目である160円を超えたら、あとは青天井です。それまでに政府は為替介入に踏み切るでしょうが、一時的な修正に過ぎません。円安を恒常的に是正するには、日銀はマーケットに利上げ意識を持たせつつ、金利差を縮める方向で動くほかありません」(斎藤満氏)
止まらない円安を背景に観光地は空前のインバウンド消費にホクホク顔だが、それだけ日本は安い国になってしまったということ。1杯5000円の高級海鮮丼に舌鼓を打ってみたいものだ。