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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

ちょいクラシック風? スズキ ハスラー「タフワイルド」が予想以上に渋カッコいい!

公開日: 更新日:

スズキ ハスラー タフワイルド(車両価格:¥1,760,000/税込み~)

 この手があったか! ひさびさにオヤジ心に突き刺さるシブめのモデルが登場した。5月のマイナーチェンジで登場したスズキ ハスラーの追加グレード「タフワイルド」だ。

 ハスラーは2014年に初代登場。いきなり月販1万台超えを連発、日本で一番売れる軽SUVとなった。その後累計販売48万台を突破し、現行2代目モデルにフルモデルチェンジ。その後も初代には負けるが順調で、今年に入ってからはダイハツ問題の受け皿になったこともあり、月販9000台を記録。

 いまや人気スライドドア車のN-BOX、スペーシアに続く「日本で一番売れるヒンジドアの軽」として再ブレーク中なのだ。

装備や機能は確実に充実

 そんな最中に4年ぶりのマイナーチェンジ。基本的なボディ骨格や64馬力のターボ&49馬力のノンターボエンジンや足周り、マイルドハイブリッドの性能や最良リッター25kmのモード燃費に変更はナシ。走り味は変わってない。

 しかし装備や機能は確実に充実しており、まず一部グレードにしか付かなかったLEDヘッドライトが全車標準となり、ナビユニットもインターネット接続を前提とした「スズキコネクト」に全車対応。オプション装着だが、搭載すればスマホからエアコンがかけられたり、緊急時のSOSコールが使える。

 また一部グレードだけだけだがフルオートエアコンはナノイーX搭載となり、プレミアムUVカットガラスやシートバックアッパーポケットなども採用された。

タフ&ワイルドなアウトドア仕様だが不思議と懐かしい

 だがクルマ好きにとって一番の注目は、今までのGやXグレードの上に位置する新設グレード「タフワイルド」だろう。

 商品ポジション的には今までのファッショナブルな特別仕様車Jスタイルの代わりとも言えるが、テイストはかなり違う。その名の通り、タフ&ワイルドなアウトドア仕様ではあるが、筆者的には不思議と懐かしく見える。

 最大のキモはおそらく顔つきで、左右フロントライトを繫ぐ竹細工のようなストライプグリルがクラシックSUVっぽい。具体的には英国のプレミアムSUV、レンジローバーの初期モデルにも少し似ていて、同時に備えた前後のアイアンバンパーっぽい加飾もあり、懐かしさを覚える人もいるはず。

 インテリアもシブめかつ機能的で、基本的にはXグレードに準ずるがシートに撥水加工やカーキ色のステッチが施され、インパネベゼルも同様のカラーリングで演出され、絶妙にタフでワイルド。より道具的に使い倒せる男のSUVとなっている。

スライドドア付きハイドワゴンよりリーズナブル

 ちなみに価格的にはFFノンターボのタフワイルドが176万円からと、ハスラーのベースモデルから20万円以上高いが、専用パーツは外装だけで10カ所以上で、内装も5カ所以上と結構手が込んでいる。平気で200万円超えるスライドドア付きハイドワゴンを考えると安いのだ。

 確かに、今や軽といえば背が高くてリアドアが真横に開くスライドドアが人気で、昔ながらのヒンジドア車は人気控え目。

 だが実は後者の方がボディは軽く、燃費も良好で、同じ背の高さならばドア開口部は広く取れて有利。価格も安めとくる。今もヒンジドア軽の良さは立派に存在するのだ。

 中でもオシャレなワイルドさで気を吐く新型ハスラー&ハスラー タフワイルド。侮れませんぜ!

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