識者が懸念する浦和レッズとサポーターの“関係悪化”
Jリーグで初の無観客試合が埼玉スタジアムで行われた。
ガランとしたスタジアムに響くのは、浦和と清水の選手が出す指示の声だけ。20年以上前の閑古鳥の鳴いていた日本リーグの試合を彷彿(ほうふつ)させた。
3月8日の浦和―鳥栖戦。一部サポーターが人種差別横断幕を掲げ、浦和も試合終了まで取り外さなかったことに対する厳罰である。浦和も当分の間、自主的に横断幕やゲートフラッグ、旗などの掲出をホーム、アウェーともに禁止した。
「発端となった横断幕を全面禁止し、ゴール裏の警備も強化。自由席を指定席に変更するプランも検討中です」と浦和の淵田社長は言う。正直これには違和感を覚えた。
横断幕はサポーターのアイデンティティーであり、強烈なメッセージでもある。横断幕事件の後、大多数のサポーターがどのように感じ、何を思い、どんなメッセージを発するのだろうか? 個人的にも興味は尽きない。それを全面禁止では「臭いモノには蓋」といった安易な発想が見え隠れする。
■怠慢だった浦和の「危機管理」