本田圭佑「虚像と実像」(8)同級生が「裏口で入ったんか?」

公開日: 更新日:

 本田は、プライベートの立ち居振る舞いでも異彩を放っていた。

■3年間同じ格好

 4月から10月までは毎日、赤いタンクトップにジーンズ姿。秋口から冬にかけてダウンジャケットを羽織る。背中には使い古した真っ赤なリュック。足元は夏も冬も同じボロボロのスニーカー。

 中学3年間、貧しかった本田はずっとこの格好だった。
 ジュニアユースの仲間は、本田のプライベートに関わろうとはせず、普段の付き合いを避ける傾向もあった。

 しかし、本田はそんな空気をよそに、ズンズンとチームメートの輪の中に入っていった。

 練習後、自転車をこいで帰ろうとする家長ら中心選手たちを、無言のまま追い掛けていく。いきなり仲間内の会話に割り込んだり、呼んでもいないのにくっついてくる。

 與が言う。
「あえてストレートに言いますが、チームの“序列”をきちんと把握した上で“コバンザメみたいな動き”をしながら、一番上手なヤツ、仲良しグループのリーダー的存在と親密な関係になりたがった。そうすれば本田自身の評価が上がる、という計算が働いていたのかも知れません」
(敬称略=つづく)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  3. 3

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  4. 4

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  5. 5

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

  1. 6

    森友文書の一部欠落で財務省が回答…公表された概要リストに「安倍昭恵」の名前

  2. 7

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 8

    早実初等部を凌駕する慶応幼稚舎の人脈網…パワーカップルを惹きつけるもう一つの理由

  4. 9

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  5. 10

    迷走続く「マレリ・ホールディングス」再建…金融界の最大の懸念は日産との共倒れ