“戦術オタク”脱却 オランダを覚醒させたファンハール采配
しかし、負けたら終わりのオーストラリアは前線から激しくプレスをかけ、ボールを奪いにきた。これに苦戦を強いられると前半終了間際に3人目のFWを投入、後半開始から慣れ親しんだ「3―4―3」の攻撃的布陣にスイッチして再逆転を呼び込んだ。
「ファンハール監督は、オランダのアヤックス、スペインのバルセロナ、ドイツのバイエルン・ミュンヘンと、欧州各国リーグのトップクラブの監督を歴任し、それぞれのチームの土台を築いてきた名将です。『戦術オタク』と言われるほど引き出しが多く、チームの約束事を守らない選手はどんなビッグネームでも試合に使わない。自分の戦術に自信を持っているのです」(現地取材中のサッカージャーナリスト)
前回南アフリカ大会で準優勝したオランダのサッカー協会は、当初「ベスト4」を目標に設定していたが、ファンハール監督は「我々よりも強いチームが8から10はある。我々は優勝候補ではない」と「ベスト8」に下方修正。こちらの“計算”は外れるかもしれない。