渡米の鳥谷も不安 共和党圧勝でメジャーはより“格差社会”に
マイナーやメジャーとのボーダーライン上にいる選手には、さらなる試練も待ち受けている。
「共和党には対中国、対ロシアにおいて強硬派が多い。特に中国は米国にとって最大の貿易相手ですからね。中国との関係がこじれるようだと、米国経済自体が冷え込む可能性も出てきます。景気が低迷すれば、入場料収入にも影響が出るでしょう」(鈴木氏)
景気が冷え込んで割を食うのは、中堅以下の選手たちだ。リーマン・ショックのときも、メジャーの頂点にいる連中は当たり前のように100億円を超す大型契約を勝ち取っていた。球団全体の人件費が締め付けられて泣きをみるのは結局、底辺をウロウロする連中なのだ。
「ブッシュ、レーガンの共和党政権は、富裕層を優遇してきました。仮に2年後の大統領選で民主党が敗れるようだと、税制も変化。連邦税などが富裕層にとって有利になるかもしれません」(鈴村氏)
ダルビッシュ(28)や田中将大(26)などメジャーでもトップに位置する高給取りはこれまで以上に優遇されても、選手の多くはいよいよ追い詰められる。米国でもトップクラスに位置する日本人投手はとっとと海を渡るべきでも、そうでない連中にとっては一層、シビアになる。生半可な覚悟じゃ、やっていけないのだ。