教え子・成瀬がロッテからヤクルトに 本音は残りたかったはず
「おまえらは悪くない。監督が教えないんだから、できるはずがないんだよ。悪いのは全部監督だ!」
打撃で気になったのは、右打者なら軸足となる右足が折れて右腰が落ち、バットのヘッドが下がってしまうアッパースイングが実に多いこと。つまり、上り坂で振っているようなスイングだ。これではミート率は落ちるし、ヘッドが立たないと打球に強さが出ない。矯正法は右足の親指に力を入れて振ること。そうすれば必要以上に足が折れない。下り坂で振るようなダウンスイングのイメージ。腰が水平に回り、結果としてレベルスイングになることが多い。
話は変わるが、教え子の成瀬善久がロッテからヤクルトへFA移籍することが決まった。報道によると3年6億円だ。
高校時代、どうしてもプロへ行きたいと言うから、私がロッテのスカウトに頼み込んで03年のドラフト6巡目で何とか入れてもらった思い出がある。1位で指名された松坂大輔や涌井秀章とは入団の経緯が違う。成瀬は拾ってもらったロッテに大きな恩を感じていた。本音を言えば骨をうずめたかったと思う。今季は9勝だが、9年間で2ケタ勝利5度。防御率などのタイトルも取っている。現在の年俸は1億4400万円。チームを引っ張ってきたエースだから、もう少し高くてもよかったのではないか。
制球力は抜群だからリーグが変わっても影響は少ないだろう。体が強い方ではないから故障だけが心配。打撃がいいチームだけに、万全なら2ケタは勝てる。セ・リーグの巨人1強時代に風穴をあけて欲しい。