羽生にブレーキをかけなかったオーサー・コーチの“言い分”
「彼は常に出場したいと言っていた。そこまで強い覚悟を持っている彼に(出場を)反対することはできなかった」
故障を抱えながら、フィギュアスケートのグランプリシリーズNHK杯に強行出場した羽生結弦(19)についてブライアン・オーサー・コーチ(52)が重い口を開いた。
昨1日、著書の刊行を記念して都内で会見したオーサー・コーチ。地元選手と接触して負傷した11月の中国杯を終えてから、羽生とはメールでやりとりしていたそうで「恐らく回復には時間がかかると思っていた。『常に体の調子には耳を傾けなさい』と言い続けていた」と語った。
同コーチはNHK杯で直前の非公開練習まで出場の可否を決めかねていた羽生に、出場と欠場の2つの選択肢を与えたが「彼は出場すると強く主張していた。『自分の心の中の声が出たいと言っている』と話していた」と、最終的には本人の意思を尊重したと話した。
■怪我の影響を考慮してプログラムをシンプルに
羽生は中国杯でのアクシデントで、頭部挫創、左大腿挫傷、右足関節捻挫などの重傷を負った。「(だから)ジャンプの回数を減らすなど、シンプルなプログラムにした」とオーサー・コーチは言ったが、結局、ジャンプ失敗などもありNHK杯は4位に終わった。