「好ドロー」にも落とし穴 全仏初戦快勝の錦織圭に“難題山積”
今年の注目のひとつは、今季絶好調のジョコビッチに4大大会全制覇がかかっていることだ。ジョコビッチはグランドスラムで全仏のタイトルだけ手にしていない。モンテカルロ、イタリア国際に連勝したことで、「今はクレーの試合にも自信をもっている」という。初の4大大会優勝を狙う錦織にとっては最強のライバルなのだ。
ジョコビッチと錦織が直近で対戦したのが、今月15日のイタリア国際準々決勝。第3セットで2人の実力差が出た。1-2で迎えた第4ゲーム。ジョコビッチはバックハンドのドロップショットなどで錦織を揺さぶりブレークに成功。以後、錦織は1ゲームも取れずに負けた。
ATPツアー公式記録を見ると、今季のサービスゲームのキープ率はジョコビッチ90%(6位)、錦織86%(9位)。この差は数字以上に大きい。
試合には必ずポイントになるゲームがある。イタリア国際では、せっかく第2セットで主導権を握ったのに、第3セットの第4ゲームをブレークされてゲームの流れは一気にジョコビッチに傾いた。落としてはいけないゲームを落とせば相手は勢いづく。