予定通りG戦に先発も 黒田の“男気”に広島球団ビビる理由
球団フロントも気が気ではないはずだ。
9日の阪神戦で左アキレス腱上部に打球を当て緊急降板した広島の黒田博樹(41)が、予定通り中6日で巨人戦(16日)に先発することになった。
黒田はここまで3試合に先発し、2勝0敗、防御率1・35はリーグ3位の成績。エースの前田健太(28)が抜けた今季、開幕からベテラン右腕がチームを引っ張っている。
集客面でも貢献度は計り知れない。黒田が広島に復帰した昨季、広島は球団創設以来、初めて観客動員200万人を突破。グッズ収入は10億円増の35億7500万円を記録し、年間指定席は完売。売上高148億3256万円、当期利益7億6133万円はいずれも球団史上最高額だった。すべては「黒田効果」なのだ。
「巨人戦や阪神戦に黒田が先発すれば、観客動員に直結します。ただ黒田はプロ野球人生の最後はカープに恩返しをしたいと復帰した実直な性格の持ち主ですから、チームの勝利のためには無理もいとわない。昨季も首脳陣の反対を振り切って、続投を志願したこともあります。責任感の強い黒田のことですから、マエケンがいなくなり、今年限りで引退を決意しているから、なおさらそういう気持ちが強い。それで投げられなくなっても後悔はしないでしょう。ただ球団としては、故障をしてそのまま長期離脱や引退に追い込まれたらすべてがパー、シャレになりません」(球団OB)
黒田がマウンドに上がるたびに「頼むから無理しないでくれ」と、祈っているハズだ。