西武・菊池雄星 18年オフに“条件付き”でメジャー移籍情報
このメジャースカウトは「ただし……」と、こう続ける。
「断言してもいいが、今のキクチに入札金の上限2000万ドル(約23億円)を出す球団はない。確かに現状でもある程度は通用するだろう。問題は今季143イニングで67個もの四球を出した制球力だ。左投手は右打者に対する外角への出し入れが重要になるが、今のキクチの制球力では不安が残る。それを解消するためにも、チェンジアップの精度を磨いてほしい。リリーフなら直球とキレのあるスライダーだけでも十分いけるが、先発となれば不十分。まずは残り2年、ケガなく1年間ローテを守った上で、チェンジアップのレベルを上げる必要がある」
西武としても、どうせ菊池を売るなら満額でと考えているだろう。現行の制度では球団が入札額を設定できるが、それがメジャーの評価と合致するとは限らない。西武が上限の2000万ドルを設定したところで、メジャー側が「それは高すぎる」と応じない可能性もあるのだ。
冒頭の球団OBが言う。
「それでも西武は妥協せず、上限いっぱいの2000万ドルを設定するはずです。というのも、選手から要望が出ている二軍施設の全面改修には莫大な費用がかかる。二軍施設は球団が所沢に移転した79年から基本的に変わっておらず、特に室内練習場は雨漏りがひどく、選手の不満も限界です。そのために、雄星の入札金をアテにしている。今から2年後のポスティングに許可を出したのは、雄星をヤル気にさせるためでもあるでしょうが、このオフにエースの岸が楽天に移籍しながら、昨年ドラ1の多和田や高卒2年目の高橋光ら、若手が成長の兆しを見せた。これも球団の判断材料になったのでしょう」
西武はさらに今秋のドラフトで夏の甲子園を制した作新学院のMAX152キロ右腕・今井達也を獲得。将来的な先発層はいよいよ厚くなる。菊池は自分の投球だけに集中できそうだ。