押し相撲が持ち味の大翔丸は特長らしい特長がないのが特徴
27歳・追手風部屋・西前頭9枚目
「欠点らしい欠点はないけど何かが足りない。そんな力士です」
相撲記者も、こう言って苦笑いする。
名は体を表すの言葉通り、背中を丸めた前傾姿勢を取りハズ押しで前に前に突き進む押し相撲が持ち味だ。かといって、突撃一辺倒というわけでもなく、タイミングよく左からいなして相手に横を向かせて、一気に詰める相撲も取る。
「正攻法の押し相撲プラス、いなしを得意としているとはいえ、三役を目指すには、もうひとつ、何かが欲しい。例えば、相手に付け入る隙を与えないスピードか、パワーに磨きをかけるか……。現状ではこれといった特長がない、印象の薄い力士です。その上、性格なのか本人のコメントも……。以前、前半戦で連勝し、好調の要因を聞いたら、『いやあ、何だかよく分かりません』ですからね。これでは記事になりませんよ」(冒頭の記者)
幕下付け出しで2014年3月場所で初土俵を踏むと、16年3月場所から幕内に定着。十両に落ちることはないが、三役経験もない。
アマチュア時代は相撲名門校を渡り歩いた。大阪出身で、中学は明徳義塾。卒業すると金沢学院東高校(現・金沢学院高校)に進学し、さらに日大4年時にはアマチュア横綱に輝いた。