ザルツブルクMF南野拓実 欧州5大リーグ移籍への課題
しかし、実現しないまま時は流れ、5季目も終わろうとしている。日本代表でトップ下を争っている香川真司(ベシクタシュMF)がドイツ1部ドルトムント、英プレミアのマンチェスター・ユナイテッドといった名門でプレー。対して南野のクラブレベルの活躍度は物足りなさが否めない。
「海外に来て私生活を含めて難しい状況もあったし、自分ひとりで何とかしなければいけない環境にいた。『ピッチ上では気の強さを示さないと生き残っていけない』と常に考えてきました。日本にいた時に比べると人間的にも成長していると思います」と本人はしみじみ言う。
「代表でのポジションが確約されているわけじゃない」と危機感を抱く南野にしてみれば、ザルツブルクでの今季終盤戦と6月にブラジルで開催される南米選手権は、すべての試合がアピールの機会になる。それを生かしてこそ、3年後のカタール行きがかなうはずだ。
19歳だった2014年ブラジルW杯は予備登録にとどまり、23歳で迎えた18年ロシアW杯は候補にも入らなかった。
ハリルホジッチ代表監督(現ナント監督)に見向きもされなかった頃には「なんで俺を呼ばへんねん。俺だってできるのに」と悔しさと屈辱感に耐えて浮上を期した。