日本ラグビー史に残るアイルランド戦劇的勝利の要因を探る

公開日: 更新日:

 4年前、英国ブライトンの地で南アフリカに勝利した奇跡の歴史は、もう過去のものになった。

 ラグビーの日本代表が世界ランキング2位のアイルランド相手に大逆転勝利を収めた劇的な試合を見て、日本ラグビーの歴史が本当に変わったことを改めて実感した。

 たとえば英国の大手ブックメーカー・ウィリアムヒル社は、アイルランド勝利のオッズを1.07倍に設定したが、日本勝利のオッズは10倍。それに象徴されるように、世界中のラグビーファンもアイルランドの順当勝ちを予想していたはずだ。

 正直に言えば、筆者は東京スタジアムで行われたロシアとの開幕戦を取材して以来、アイルランドどころか(3戦目)サモアにも勝てないのではないか? という疑念が芽生えていた。

 あの試合のジャパンの選手たちは、開催国としてのプレッシャーに押し潰されてしまっていた。

「絶対に負けられない」モードの雰囲気に飲み込まれ、実力の半分も出せなかった。唯一救いとなったのは、最低限のノルマとされた勝ち点4ポイントに加え、4トライ以上を挙げてボーナス1ポイントを手にしたこと。それでも、試合後のミックスゾーンで「とにかく今日は早く終わってほしかった」というヤワなセリフを背番号10の田村優の口から聞かされ、どう転んだとしても楽観的にはなれなかった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • その他のアクセスランキング

  1. 1

    ユニクロ女子陸上競技部の要職に就任 青学大・原晋監督が日刊ゲンダイに語った「野望」

  2. 2

    選手は不満言うなら今のうち?バレーボールSVリーグ大河正明チェアマンの「手のひら返し」で好機到来か

  3. 3

    鈴木大地・日本水連会長「罰ゲーム発言」に続き参院選出馬報道でまたしても波紋広がる

  4. 4

    卓球・木原美悠の父が教え子へのわいせつ容疑で逮捕!かつて語っていた天才愛娘へのスパルタ指導の中身

  5. 5

    不手際連発の水連にうんざり?日本トップスイマー相次ぐ海外逃避…「アスリートファーストではない」と批判噴出

  1. 6

    貴ノ浪が43歳で急逝 横綱・大関は「寿命が短い」本当の理由

  2. 7

    「何かをやる女」大坂なおみに浮上の気配…生活面はともかくコート上のメンタルはめちゃくちゃ強い

  3. 8

    5年以内に箱根経験者から2時間3分台の記録が生まれ、世回大会で優勝争いする日本人選手が出てきます

  4. 9

    バレーSVリーグに現役選手から不満爆発!《ハテナがつく事ばかり》の現状招いた真犯人

  5. 10

    やり投げ北口榛花 貫禄の大会連覇で見せたさすがの修正力…9月の世界陸上へ敵なし

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  2. 2

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  3. 3

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  4. 4

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  1. 6

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑でCM動画削除が加速…聞こえてきたスポンサー関係者の冷静すぎる「本音」

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    綾瀬はるかは棚ぼた? 永野芽郁“失脚”でCM美女たちのポスト女王争奪戦が勃発

  5. 10

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり