マシソンは「球威と角度」以外は欠点だらけの投手だった
「僕は西村(健太朗)しかいないと思います」
七~九回のリリーフ陣の整備という宿題があった私は、意を決して原辰徳監督に直談判。2012年の開幕4日前、米マリナーズとの親善試合で西村が九回に起用されたことで、原監督のゴーサインが出た格好となった。西村はこの年、一時セットアッパーとなったものの、抑えの座に返り咲き、32セーブを挙げた。そして、翌13年には42セーブでタイトルを獲得したのは感慨深かった。
八回には絶対的な安定感を誇る左腕・山口鉄也。問題の「七回」には新外国人のスコット・マシソンが入ることになった。クローザー候補として入団したものの、春のキャンプでいきなり頭部死球を食らわせるなど制球難を露呈。それでも「球威と角度」はあったため、「勝利の方程式」候補に浮上したのだ。
しかし、コントロールが悪い。一軍バッテリーコーチとして、練習中に球を受けることがあるのだが、どこにいくか分からないスライダーやフォークは恐怖だった。クイック、バント処理ができず、牽制球も投げられない。