広沢とユマに着くと午前中2時間の地獄のアップにビックリ
地獄だったのは2時間を超えるウオーミングアップだ。筋トレと有酸素運動を続けて行うサーキットトレーニング、走塁練習、ABC球場を全て回る5キロ走が名物だった。このトレーニングをヤクルトでは「ウオーミングアップ」と言った。着替えてキャッチボールを行うころにはヘトヘトになっている。厳しい練習で有名な法大出身の私も「とんでもないところに来てしまった」と恐ろしくなった。
捕手として入団したため、ブルペンも仕事場だった。あのころの投手は1日200球を投げ込むこともザラ。「新人は多くの投手から、多くの球を受けろ」と指示されていた。ユマは日差しが強い。暑くてまぶしいブルペンで、何百球も受け続けていると、最後には下半身が言うことを聞かなくなった。
■朝食はホットドッグ
朝9時半ごろから始まり、昼食はホットドッグ、オレンジ、バナナといった軽食程度。腹は減るし、特守やウエートトレーニングといった練習が午後5時半ぐらいまで続く。一日がとてつもなく長く感じ、新人の私にはカルチャーショックの連続だった。
砂漠地で周囲には何もない環境。球場とホテルの往復しかできない中、数年後のユマキャンプ中に消防車が出動する騒ぎがあった。