著者のコラム一覧
植月正章元アシックス営業本部長

1938(昭和13)年、鳥取県智頭町生まれ。57年オニツカ㈱入社、77年㈱アシックス推進部長、84年理事、88年取締役販売促進部長、93年常務取締役アスレチック事業本部長、99年専務取締役フットウエア営業本部長。2003年任期満了に伴い退任後、兵庫陸上競技協会会長、神戸市体育協会副会長、兵庫県体育協会副会長、神戸マラソン実行委員会会長、近畿陸上競技協会会長などを歴任。

<6>世界バレー男女ベスト8の8割以上をオニツカで占めた

公開日: 更新日:

 小島孝治監督のベッドの下で目が覚めた。

「監督、昨夜少しお話しした件でお願いがあります。この大会には世界中の選手が集まります。せっかくですから、うちのシューズを配りたいのです。この荷物です。ライバルチームに渡ることになりますがいいですか」

「ここまで来て、今さら何言ってるんや。好きなようにせい」

■ソ連監督と毎晩飲みながら

 決勝リーグに進んだ女子チームは全日本と同じホテルに宿泊していた。監督の部屋を倉庫代わりにし、早速作業を始めた。まずはソ連チームのリストをつくり、アフレジアン・ギビ監督を訪ねた。

「シューズを配りたいって? 毎晩、私と飲んでくれるならOKしよう」

 笑いながら、あっさり了承してくれたのは意外だったが、ギビ監督の言葉は冗談ではなかった。

「ミスター・リトル・タイガー、今晩もウオッカで乾杯しよう」

 連日のようにお誘いがあり、頭がクラクラするほど飲まされた。この時の出会いがきっかけで、ソ連バレーボール協会ナショナルチームの公式サプライヤーになった。後にアシックス(1977年に3社合併でオニツカから新社名)はソ連オリンピック委員会と公式サプライヤー契約を結んだ。日本がボイコットした80年モスクワ五輪に技術者と一緒に派遣され、40日ほど現地でサービス活動を行った。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」