【侍ジャパン】韓国撃破し“金”王手までのドタバタ全舞台裏…偽装スクイズ騒動に緊急PCR検査も

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 4日、東京五輪野球の侍ジャパンは準決勝の韓国戦に勝利して4連勝。銀メダル以上を確定させた。悲願の金メダル獲得に向け、7日の決勝戦に臨む。

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 日本を率いる稲葉監督は、合宿から「金メダルは当たり前」という重圧と戦っている。

■偽装スクイズ騒動、ガチガチの指揮官

 1次リーグ初戦のドミニカ共和国戦。九回、甲斐(ソフトバンク)が、初球にスクイズを空振りした直後の2球目にセーフティースクイズを決めて同点に追いついた。試合後、稲葉監督が「どうしても同点に追い付きたかった。偽装スクイズでやってもらった」と甲斐のプレーを称えたことを受け、「初球はわざと空振りした。恩師の野村監督仕込み」などと書いたスポーツ紙もあった。

「しかしそのネット記事は後日、削除されました」とは、球界OB。

「実は稲葉監督は『セーフティースクイズ』を『偽装スクイズ』と、単純に言い間違えたそうです。メディアにも訂正を出しています。つまり、甲斐の初球は単なる空振りだったということ。稲葉監督は生真面目な性格ですし、金メダルのためにガチガチになっているのです」

 グラウンドや食事会場ではコーチ陣と「鬼の形相」で選手起用や対策に頭を悩ませる日々。五輪開幕前は夜な夜な、対戦国の映像、資料とにらめっこ。気づいたら空が白んでいたことも珍しくない。

「五輪前に米国で行われた最終予選の視察がかなわず、時間が空いた時は1次リーグの米国対韓国戦などをハマスタで視察。資料を片手に難しい顔をしている。一方でライバル韓国は、金監督が最終予選を視察している。内心、気が気じゃなかったんです」(代表関係者)

迷走する選手起用

「いい選手を集めるのではなく、いいチームにしたい」とチーム結束を最大のテーマにしている指揮官だが、特に投手起用を巡って代表内から迷走ぶりが伝わってくる。

 先発投手の青柳(阪神)を2度にわたって中継ぎ起用。1次リーグのドミニカ共和国戦に2番手で登板して2失点したのに続き、準々決勝の米国戦でも五回から登板して3失点。慣れない中継ぎ起用に苦戦している。

■田中と千賀の危険な扱い方

「準々決勝の米国戦では、リリーフとして岩崎、青柳、千賀、大野らを起用。青柳を除いた3人は一度も登板がなかったため、試合の勝ち負けにかかわらず、あらかじめ米国戦で投げさせると決めていたようです。特に千賀は二軍調整中にもかかわらず招集した。それで登板機会ゼロでは一体何のために呼んだのか、となる。千賀が好投したのはあくまでひょうたんから駒です」(前出のOB)

 その米国戦で4回途中KOされた田中将(楽天)も、「稲葉采配の被害者」という声がある。

「荷物持ちでもなんでもやる」と意気込んで臨んだ今回の東京五輪。田中は稲葉監督から「チームを引っ張ってほしい」と伝えられ、投手リーダー的な立場で積極的に他の選手とコミュニケーションを図っている。年下の選手が多い中、山本(オリックス)や甲斐らと気さくに「メジャー談議」に花を咲かせることもある。

 田中は唯一、2008年北京五輪に出場しており、「日本のエース」として初戦ないし2戦目に先発、準決勝もしくは決勝の先発を担うとみられていたが、前出のOBはこう言う。

「稲葉監督は最終的に今季の成績や状態を優先した。田中は実質的に山本、森下に次ぐ『3番手扱い』です。米国戦は7月25日の巨人との強化試合から中7日空いての登板で、さすがの田中も登板前日は『やっと自分の出番が回ってきた感じです』とカリカリしていたそうです。米国戦で打ち込まれたのも、気合が空回りした感があるし、調整の難しさが影響したともっぱらです」

■球審がコロナ感染

 宮城・仙台での合宿と現在の宿舎生活は、「バブル方式」を順守するため外出禁止。選手は宿舎と試合会場、練習場を往復する日々だ。

 そんな選手たちの楽しみになっているのが、携帯アプリを使ったデリバリーや、外出可能な関係者が買い出しをしてくれるコーヒーだという。

「宿舎生活でもドタバタがあった」と明かすのは、放送関係者だ。

「楽天とのデーゲームを終えた後の7月24日の夜、選手たちが緊急でPCR検査を受けた。試合の球審がコロナに感染したからです。捕手の甲斐、梅野が濃厚接触者に認定される可能性があり、感染が拡大した場合は翌25日の巨人戦の中止を覚悟する関係者もいましたが、25日午前に陽性者も濃厚接触者もゼロで、事なきを得ました」

 舞台裏ではドタバタがありつつも決勝へ進出した侍ジャパン。有終の美を飾れるか――。

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