大関が“初日から全コケ”は今や日常茶飯事 新横綱でV狙う照ノ富士も安堵
今や大関が初日から揃ってコケるのは波乱でも何でもない。9月場所もそんな当たり前の展開で幕を開けた。
12日の初日、正代(29)は新進気鋭の豊昇龍と対戦。元横綱朝青龍の甥っ子を、立ち合いから一気に土俵際まで追い込んだ。
しかし、欠点の詰めの甘さをこの日も露呈。即座に立て直した豊昇龍に2本差されると、体が伸び切った大関は抵抗できない。今度は自分が一気に寄り切られた。
カド番の貴景勝(25)も不甲斐ない一番だった。
立ち合いの当たりは威力に欠け、北勝富士に下から押されると、簡単に後退。途中から腰が上がってしまった。おっつけで回転させられ相手に背中を見せる醜態をさらすと、ロクに見せ場もつくれないまま押し出されて黒星発進である。
親方のひとりは「正代はまあ、あんなもんでしょう」とこう続ける。
「貴景勝は先場所、頚椎椎間板ヘルニアの神経根症で途中休場。本人は場所前、『大丈夫』とか『頭から当たっていきます』と話していたが、この日の相撲を見る限り影響は相当あると見ていい。低い姿勢で頭からぶつかっていく立ち合いがイマイチだったのは、首のケガへの恐怖心があったからではないか。貴景勝は下から下から攻めるからこそ強い力士。それが腰高になっては怖くも何ともない。あまりのモロさに北勝富士も拍子抜けしたはずです」