照ノ富士がついに休場…コロナ感染でヒザへの負担減と引き換えに失った「10日間」
春場所6日目の18日、横綱照ノ富士(30)は日本相撲協会に休場を届け出た。5日目の17日には玉鷲に完敗し2敗目。立ち合いから突き押しで攻められると、なす術なく後退。反撃する余裕もなく、押し倒しで土俵下に転げ落ちた。あまりに一方的な敗戦……これで玉鷲には2場所連続で金星を配給する羽目になった。
照ノ富士は1月場所後、新型コロナに感染。伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「(療養で)10日間休んだので厳しい」と、顔をしかめていた。
今場所前に幕内42人中21人がコロナ感染。稽古不足という条件は皆同じだが、この横綱にとっては「ただの10日間」ではない。両ヒザにバクダンを抱えており、「稽古量は毎日の体調を確認した上で、トレーナーと相談して決めている」とは本人の弁。慎重に慎重を重ねた上で調整し、本場所に臨んでいたということだ。それでも本場所終盤はヒザが限界に近くなり、優勝した場所では「表彰式で土俵に上がるのもしんどかった」と振り返っていた。
稽古を休んだ分、ヒザへの負担そのものは減ったかもしれない。しかし、それと引き換えに本場所で戦える体をつくれなかったのも事実。だからこそ、師匠も「今場所は厳しい」と、あえて口にしていたのだろう。