野球は二の次で補強資金をポケットに…メジャー球団オーナーたちの“銭ゲバ”ぶり
メジャー球団のオーナーと聞くと「全米の大富豪トップ400」に入る大金持ちで地元の名士というイメージがあるが、程遠い人物も少なくない。
2017年8月にマーリンズのオーナーになったブルース・シャーマンは、資産運用会社の経営者で、8億ドルの自己資金があった。
しかし、それでは足りないため、4億ドルを借金して12億ドルで買収に成功。元スーパースターのデレク・ジーターに球団株式の4%を持たせて球団CEO長に据え、経営に乗り出した。彼が執着したのは、チームを強くすることではなく、1年目から利益を計上することだった。
MLBは補強資金として毎年、各球団に5500万ドル(原資は全国テレビ放映権料)を分配しているが、それを補強に回さなければ、オーナーは大きな儲けを手に出来る。それを臆面もなく実行したため、チームはさらに弱体化し、球場は閑古鳥が鳴く状態が続いた。
その責任を取る形で今年2月にジーターCEOが辞任。メジャーリーグ選手会は同オーナーに「分配金をちゃんと使ってチームを強くする努力をしろ」と抗議した。しかし、同オーナーはそれを無視、依然、チームを強化せずに放置しながら大きな儲けを出すことに執着している。