プロスカウトが高校生ドラ1候補と評価する「左腕2人」と「左のスラッガー」の真価

公開日: 更新日:

前田悠伍(大阪桐蔭・投手)

 高校野球の春季大会が各地で行われている。アジア野球選手権大会に向けて先月行われたU18日本代表候補の合宿を視察したプロのスカウトの評価が高かった中で、ドラフト1位の可能性のある「左腕BIG3」の2投手と左のスラッガーを取り上げた。

  ◇  ◇  ◇

「コントロールが良くて直球にキレがある。スライダーはカーブとの中間のような軌道。低めのボールゾーンに落とせて空振りが奪えるチェンジアップがいい。直球でも変化球でも三振が取れる。勝てる投球術がある。もう少しスピードが出てくれば、もっと三振を奪えるようになる」

 こう指摘するのはパのスカウト。すでに実績は十分だ。

 優勝した2年春のセンバツでは近江(滋賀)との決勝で先発して勝利投手となった。新チームでは人生初の主将となり、明治神宮大会で史上初となる連覇を達成。公式戦15試合中12試合に登板して11勝無敗(7完投、3完封)、88回で102奪三振と圧倒的な成績で臨んだセンバツはしかし、報徳学園(兵庫)に敗れ、4強で敗退した。

 高校野球に詳しいスポーツライターの美山和也氏がこう言う。

「登板予定のなかった昨秋の近畿大会決勝の先発を西谷監督に『投げさせてください』と直訴して、急きょ前田に変更になったことがある。明治神宮大会決勝の試合中にも、中2日だった前田が、言われてもいないのにブルペンに走り、『勝って終わりましょう』とまた直訴。リリーフ登板してチームを逆転優勝に導いた。ただ、そんな責任感の強さが災いして、考え過ぎて制球を乱したり、投球に影響が出ることもあるそうです」

 中学時代に在籍した湖北ボーイズ1年時に選抜された代表チームで世界一を経験。進学先は幼少時代から「大阪桐蔭一本」に決めていたという。今は「プロ一本」。さらに「いずれはメジャーに挑戦したい」と言う。「世代最強左腕」の描く夢はいつも一本道だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」