誰得? 10戦連続欠場の大谷翔平が「負傷者リスト」にも入らないこれだけの弊害
若手のプレー機会を奪う
野球文化学会会長で、名城大准教授の鈴村裕輔氏がこういった。
「今のエンゼルスはガバナンスが機能しているとは思えません。メジャーでは本来、故障者の出場可否はGMや監督、本人ではなく、チームドクターやトレーナーが判断するものです。故障の悪化を招くリスクがあれば、強制的にIL入りさせるケースは珍しくない。今回の大谷のように右肘靱帯を損傷したうえ、治療が難しく回復に時間がかかる脇腹を痛めたとなれば、なおさらです。一選手に判断を委ねるエ軍の指揮系統は、いびつだと思います」
大谷が試合に出ず、なおかつIL入りしないため、チームにも弊害が生じている。プレーオフ進出が絶望的になった球団にとって、シーズン終盤の9月は来季を見据えて若手を試す時期だが、大谷がいるためロースターがひとつつぶれるのだ。
「急きょ、スタメンを外れれば、代役を務める他の選手にしわ寄せが生じかねない。若手選手にプレーの機会を与えるためにも、今季はシャットダウンすべきです。このままでは誰の得にもなりません」とは前出の鈴村氏だ。