女子やり投げ北口榛花、男子走り幅跳び橋岡優輝…日本陸上トラック&フィールドはなぜ急成長した
もうマイナー種目とは言わせない。
8月の世界陸上(世陸)女子やり投げで北口榛花(25)が、日本女子フィールド種目で五輪・世陸を通して史上初となる金メダルを手にした。今月8日には世界最高峰リーグのダイヤモンドリーグ(DL=今季は男女トラック9種目、フィールド7種目)のブリュッセル大会で67メートル38の日本新記録で優勝。年間上位者が出場するDLファイナルも日本勢で初制覇し、年間女王に輝いた。
東京五輪男子走り幅跳びで日本人では37年ぶりの6位入賞を果たした橋岡優輝(24)も、この大会で8メートル15をマークし、日本男子で初めてDLファイナルで3位になった。世界のトップが集うDLの、しかもファイナルで日本選手がこのような成績を出そうとは、ほんの数年前までは誰が予想できたか。
■「ダイヤモンドアスリート」修了生という共通点
2人にはある共通点がある。日本陸連が2015年に創設した若手有望選手の強化プログラム「ダイヤモンドアスリート」(DA)の修了生だ。北口は第1期、橋岡は2期生。陸連のホームページによれば、DAは「20年東京五輪と、その後の国際大会での活躍が大いに期待できる次世代の競技者を強化育成する制度。東京五輪を契機に中・長期的にエリートを育成するために選ばれた競技者」とある。100メートルの日本歴代2位記録(9秒97)保持者で、昨年のオレゴン世界選手権同種目で90年ぶりのファイナリストになったサニブラウン(24)も1期生だ。