女子レスリング50kg級 須崎優衣の連覇を脅かす「謎に包まれた北朝鮮選手」「背後に迫る中国選手」
【レスリング女子50kg級編】
表彰台はもちろん、金メダルラッシュを期待されているのが男女レスリングだ。前人未到の133連勝で本番に臨む女子53キロ級の藤波朱理(20)、連覇を狙う同50キロ級の須崎優衣(24)らを筆頭に金メダル候補がひしめいている。今回の代表メンバー13人は東京大会の12人を上回り、アテネ、ロンドンと並んで過去最多となった。前日本協会強化本部長で、拓殖大学レスリング部部長の西口茂樹氏(58=国際学部教授)がお家芸種目の行方を占う。今回は【女子50キロ級編】。
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須崎は、東京五輪金メダリスト5人のうち唯一、2大会連続出場を果たした。東京五輪以降は世界選手権(2022、23年)、全日本選抜選手権(同)、アジア選手権(24年)と、国内外の主要大会を制した。連覇がかかるパリ五輪を前に須崎は「東京、パリ、ロサンゼルス、そして次の五輪(豪・ブリスベン)まで金メダルを獲得することが大きな夢です」と、女子アスリート史上初の4連覇を成し遂げた伊調馨(現日体大コーチ)に次ぐ偉業達成を目標に掲げた。
「須崎は勝って当たり前の選手で、金メダルの本命とみて間違いありません。ただ、ライバルとなりそうな中国、北朝鮮の選手には警戒する必要があるでしょう。特に中国の馮紫琪には昨年の世界選手権で8-2と圧倒しながら、今年4月のアジア選手権決勝では一時、2-4とリードされ、最後は8ー4で振り切り、苦戦を強いられました。実力差は近づいているとみていい。今年5月の世界最終予選を勝ち抜いた北朝鮮のキム・ソンヒャンはコロナ禍の期間、国際大会不参加を貫いてベールに包まれている。アジアの選手は欧州に比べ、しっかりと構えて動いてくるタイプが多いだけに、須崎であってもタックルを当てにくい。アジア勢との対戦で僅差の展開になるかもしれませんが、慌てさえしなければ、問題ないのではないか」
(つづく=【女子53キロ級編】)