【あす号砲】全国都道府県対抗女子駅伝 いつになったら次の五輪メダリストが出てくるのか

公開日: 更新日:

 あれから20年だ。

 1983年に始まった全国都道府県対抗女子駅伝。79年に国内初の女子マラソンとして誕生したた「東京国際女子マラソン」で不甲斐ない日本選手に頭を抱えた当時の青木半治陸連会長が帖佐寛章専務理事(当時)に「何か策はないか」と命じ、選手強化のために創設された大会だ。

 この大会を走った高橋尚子は2000年シドニー五輪の女子マラソンで、日本陸上界初の金メダルを獲得。04年アテネ大会では野口みずきも金メダルで続き、大会創設当初の女子の長距離選手育成・強化に寄与してきたことは事実だ。

 だが、野口の金メダルから20年5大会を経たものの、その後メダリストは出ていない。

 ちなみに女子に遅れること13年後にスタートした男子の全国駅伝や箱根駅伝を経験した者は五輪入賞が精一杯だ。

 その箱根駅伝は「日本マラソンの父」こと金栗四三が1912年ストックホルム大会のマラソンで途中棄権した経験から、世界で戦うには多くの長距離選手を一度に強化できるレースが必要と考え、生まれたのは有名な話だ。 ロードシーズンになれば、全国のあちこちで大小の駅伝大会が開催されているが、長距離選手の育成・強化という当初の目的はどこへやら。今やスポンサーやシューズメーカー、高校、大学の利益など「関係者のための駅伝」になっており、3月には大阪・関西万博の宣伝のためにも駅伝が利用される。「マラソンの父」は天国でどう思っているだろうか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子 元光GENJI山本淳一との入籍・出産騒動と破局

  2. 2

    巨人「松井秀喜の後継者+左キラー」↔ソフトB「二軍の帝王」…電撃トレードで得したのはどっち?

  3. 3

    反撃の中居正広氏に「まずやるべきこと」を指摘し共感呼ぶ…発信者の鈴木エイト氏に聞いた

  4. 4

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  5. 5

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  1. 6

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  2. 7

    吉岡里帆&小芝風花の電撃移籍で様変わりした芸能プロ事情…若手女優を引きつける“お金”以外の魅力

  3. 8

    【今僕は倖せです】のジャケットに表れた沢田研二の「性格」と「気分」

  4. 9

    吉田拓郎の功績は「歌声」だけではない イノベーションの数々も別格なのだ

  5. 10

    裏金自民が「11議席増」の仰天予想!東京都議選告示まで1カ月、飛び交う“怪情報”の思惑