怪談で残暑を乗り切ろう編

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■「可愛い黒い幽霊」宮沢賢治著

 チユンセは妹のポーセに意地悪ばかりしていたが、11月ににわかにポーセが病気になった。チユンセが松の木の枝から取ってきた雨雪をさじで食べさせると、ポーセはおいしそうに食べたが、急にぐたっとなって死んでしまった。春になって土の中から出てきた青いカエルをチユンセは石でつぶしてしまう。すると、昼寝の夢にポーセが出てきて、「兄さんなぜあたいの青いおべべ裂いたの」と言った。(「手紙 四」)

「幽霊」「幻視」「鬼言」「物怪」「魔処」の5つの章から成る、怪奇怪談に特化した珍しいアンソロジー。
(平凡社 1400円)

■「すえずえ」畠中恵著

 長崎屋の若旦那の所には、貧乏神、屏風のぞき、化け狐といった<あやかし>の面々がやってくるが、貧乏神は癇癪を起こすととんでもない悪さをする。道を歩いていた猫又が、そのまま賽の河原に迷い込みそうになったことも。ある日、若旦那の友人の栄吉が<おせつ>と見合いをした。化け狐が人に化けて様子をうかがうと、なぜか栄吉は若い女に平手打ちされるし、おせつは他の男と会っている。そして縁談を邪魔する借金取りの登場に貧乏神の癇癪が…。(「栄吉の来年」)

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