「路地裏の資本主義」平川克美氏

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 著者は日本経済は右肩下がりというだけでなく、やがて株式会社という制度も終わるだろうとも予測する。

「株式会社とは投資した金が増えて戻るという期待を基にした資本調達システムで、右肩下がりの状況下では成り立たないからです。つまり株式会社はフィクションなんですよ。株式会社を金主として成長してきた国家も同じです。2つのフィクションはやがて同時に終わりを迎えるでしょう。私たちはまだ“タメ”のあるうちに変わらないといけません。足元を見れば、使える制度や伝統、捨ててしまったけど心地よいものは残っているんですから」

 一元金銭主義から多様性のある社会へ。文明批評の目で、今の日本の立ち位置や経済を見直す必要性を説く。

(KADOKAWA 820円)

▽1950年、東京生まれ。早稲田大学理工学部卒業。現在、㈱リナックスカフェ代表。2011年から立教大学大学院特任教授。著書に「グローバリズムという病」「小商いのすすめ」「経済成長という病」など多数。


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