「大丈夫だよ!心配ないから マグネシウム社会の未来」小濱泰昭氏

公開日: 更新日:

 EU諸国には、デザーテック財団があり、サハラ砂漠の太陽熱発電で得た電力を海底ケーブルでおよそ1500キロ離れたEUまで運ぶ「メガグリッド構想」を進めている。日本ではどうか。

「いちばん近いオーストラリア北部の臨海地域まででも、日本からは平均距離6000キロと離れています。EUと同じ方法ではインフラ建設、維持費コスト、送電ロスなどから成り立ちませんね。しかし、砂漠で発電するのではなく、砂漠に無尽蔵にある塩化マグネシウム(ニガリ)からマグネシウムを精錬し、難燃化したマグネシウム金属に封じ込めて日本までタンカーで運ぶという私の構想なら、距離の問題は解決できます。砂漠は不毛の地どころか、エネルギー生産地としては最高の耕作地なんですよ」

 今年12月には古河電池が凸版印刷との共同開発で非常用マグネシウム空気電池を発売。現在四十数社が参加する「推進協議会」が発足し、急ピッチで実用化が進んでいる。

(小濱泰昭+NGO「キュレム」著 発売=人間の科学新社 1500円)


▽こはま・やすあき 1945年釜石市生まれ。74年、東北大学大学院博士課程修了。工学博士。東北大学大学院教授。09年、東北大学名誉教授。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末