「明治・金色キタン」畠中恵著

公開日: 更新日:

 明治21年の春、原田巡査と滝巡査は内務省の神職の護衛を命じられて甫峠寺跡に向かった。そこは明治の廃仏毀釈で廃寺となったのだが、たたりがあるという噂が立っていた。そこにこの寺にゆかりの赤手が探しものにやってきた。古い仏塔の中を見たいというのだが、内務省の神職はその仏塔を壊せと命じる。赤手が突然走りだして仏塔の中に飛び込むと、その直後、突風が吹き、ビキッという音がして仏塔が倒れ、赤手は行方不明に。これはかつて甫峠寺にあったのに薪にされてしまったという5体の仏像のたたりなのか……。(「赤手と菜の花」)

 文明開化の世になっても跳梁する妖怪たちの物語6編。(朝日新聞出版 1400円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  2. 2

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  3. 3

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  4. 4

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  1. 6

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑でCM動画削除が加速…聞こえてきたスポンサー関係者の冷静すぎる「本音」

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    綾瀬はるかは棚ぼた? 永野芽郁“失脚”でCM美女たちのポスト女王争奪戦が勃発

  5. 10

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり