「最後の秘境東京藝大」二宮敦人著

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 深夜、目を覚ましたら、現役芸大生である妻が顔に半紙を貼りつけていた。自分の等身大全身像を制作していたのだ。芸大に興味をもった著者が調べ始めると……。入試の自己表現の試験で4コマ漫画を描き、ホルンでせりふを吹いて合格した人。ブラジャーを仮面代わりに顔につけ、乳首だけ隠したトップレスの姿で大学内を闊歩するブラジャー・ウーマン。表現欲に突き動かされて暴走する人ばかり。音楽科の学生は早くからバイオリンなどの練習を始めて楽器に適した体に成長する。卒業後、就職する人は1割未満。「大学院に進学」と「行方不明」が8割を占める。

 芸大のぶっ飛んだ実像を描くノンフィクション。(新潮社1400円+税)


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