「私が誰かわかりますか」谷川直子著

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 再婚を機に、東京から九州のとある都市に移住してきた桃子は、ある日、夫の隆行から「俺は長男だから父親を引き取る」と言われ、愕然とする。

 認知症の夫・守を3年間老老介護した姑の涼世が目の病気を患い、とうとう白旗を揚げたのだ。

 口さがない親戚や近所の人々を思いだし、渋々承諾をした桃子だったが、守が老人ホームに入所するとかわいそうになり、毎日のように通いだす。しかし、付き添いの宿泊や老健施設への移行と正解が分からぬまま介護を続ける桃子は次第に疲弊していく……。

 自宅介護を押し付けられた恭子、死んだ夫の両親に家政婦のように扱われている静子ら介護を背負わされた女性たちの奮闘を、軽やかなリズムで描いた介護・みとり物語。

 (朝日新聞出版 1500円+税)

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