「デッドヒート 上 おれたちの箱根駅伝」須藤靖貴著
陸上の長距離選手、走水剛は、高校時代の監督の勧めで、箱根駅伝で2年連続シード権を獲得した修学院大学に入学。合宿所に入れなかった剛は、朝5時前に起き四畳半・共同便所のアパートから練習に通う。
入部の自己紹介で、おざなりのあいさつをする同級生に苛立った剛は、皆の前で目標は日本代表になり、オリンピックの舞台で走ることだと宣言。プロ棋士の父親に「目標を口にすると自己規定になる。すると日々の過ごし方が決まってくる」と言われて育ったからだ。しかし、剛は全国の強豪校から集まったチームメートにはタイムも実績も及ばない。
駅伝、そしてマラソンに青春をかける剛が東京オリンピックに出場するまでを描く大河青春スポーツ小説第1巻。
(角川春樹事務所 740円+税)