「舞風のごとく」あさのあつこ著

公開日: 更新日:

 小舞(おまい)6万石の城下町に火災が発生し、城下の半分近くを焼く大火となった。薬も食料も足りないのに、藩の上層部は先例にこだわって迅速な救済策を打ち出せない。

 筆頭家老の後嗣である樫井透馬は父の許しを得ぬまま蔵を開け、焼け出された者たちに食料を供給する。透馬の兄、保孝がヤケドを負ったケガ人の治療のために、医師の手配をしたという。樫井家は長男が病没し、次男の保孝も病弱で家を継げない。やむなく町人の娘が産んだ三男の透馬が後嗣となったのだ。ある夜、人々の救済に奔走する透馬を刺客が襲う。辛くも逃れたが、透馬はこの火災は付け火ではないかと疑いを持つ。

 小藩の藩政をめぐる騒動を描く時代小説。

(文藝春秋 1925円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不倫報道の福原愛 緩さとモテぶりは現役時から評判だった

  2. 2

    ヒロド歩美アナ「報ステ」起用で波紋…テレ朝とABCテレビの間に吹き始めた“すきま風”

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    日本ハム水谷瞬プロ入り時のコーチが明かす覚醒のカギ「(当時)フライはまともに捕れず、バットにも…」

  5. 5

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  1. 6

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  2. 7

    夏休み到来! 我が子をテレビやゲーム、YouTube漬けにしない「割と簡単にできる方法」

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  5. 10

    「ブラタモリ」抜擢の桑子真帆アナ “金髪チャラ系”の大学時代