「原発再稼働」日野行介著
民意を踏みにじって進められている原子力発電所再稼働の真相に迫るノンフィクション。
大津波襲来の知見を持ちながら東京電力が福島第1原発の運転を継続していたことに対し、国は放置した理由を「規制権限がなかった」と法整備の不備にすり替えた。さらに再稼働が前提の原子力規制委員会が策定した新規制基準や自治体の避難計画策定の義務付けなど、国はこの11年、原発復活を正当化するためのアリバイを着々と構築してきた。新規制基準で新たに安全審査の対象となった火山灰対策をめぐり、規制委の幹部らが話し合った秘密会議の内容を明かしながら、フクシマ以降に生まれ変わったはずの原発規制の実情をはじめ、国民をだましながら進む「国策」としての原発再稼働の実態を告発する。
(集英社 990円)