みうらじゅん 12年後に真相を公表した「ゴジラ人形盗難事件」
当時まだ大学生だったみうらは映画観賞帰りに友人らと飲んだ後、劇場前のゴジラ人形を目にする。友人と「こんなことしとったら盗まれるで」「盗もか? わしらで」という話になり、翌日、みうらは針金を外すペンチを用意、夜の11時ごろ、作業員のように堂々と運び出した。ゴジラはシーツに巻いて吉祥寺に住む友人女性のアパートまで電車で運搬、記念撮影をしたという。
人気イラストレーターの意外な告白。東宝は「みうらさんが犯人だったなんて。怪獣映画のイベントがあると司会をしてもらう関係なんです。体面上は怒らなければならないんでしょうね」と絶句。もっとも「(新作の)ゴジラVSキングギドラの公開も迫っていますし、怒るより宣伝に利用したほうがいいかな」とも。
当時からゴジラの大ファンだったというみうらはずっと人形を大事にしていた。“運搬”を告白後、ゴジラの返却を申し出たが、立会人には仕事場と同じマンションに住む放送作家の高田文夫に頼むというオマケまでついた。
運搬を告白したキッカケは91年7月の名古屋での宣伝用ゴジラぬいぐるみ盗難事件。この時は東宝が「ゴジラ捜索本部」を設ける騒ぎに。もちろん、みうらは無関係で「名古屋の君も早く返した方がいいよ」とアピールした。