原点は宮崎アニメ 映画「新感染」監督語る日本公開の思い

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「韓国社会は映画撮影に寛容で、都会のど真ん中でもカーチェイスを撮影できたりします。最新鋭の特急がゾンビに襲われる内容ですから撮影拒否されても不思議ではないと思うかもしれませんが、韓国鉄道公社はとても協力的でした。公開後も運転士役の俳優をKTXの名誉運転士に任命してくれたり、主人公たちが目指す終着駅プサンではゾンビイベントまで主催して盛り上げてくれたんです」

 アニメ出身監督らしいスピード感あふれる演出に加え、韓国ならではの社会派テーマを盛り込むことでゾンビ映画のマンネリズムを打ち破ったと、海外の映画人や映画祭から高く評価された。

「たとえばセウォル号転覆事故の顛末などを見て、韓国人は保守派もリベラル派も公権力に対して強い不信感を持っていますが、本作における生存者同士の激しい葛藤や対立構図もそれをモチーフとしています」

 金融マンからホームレス、妊婦、高校生などさまざまな階層の人々が登場し、おのおのの社会性と人間ドラマを絡めて感動を盛り上げるストーリーは、同じように格差社会化する日本人の共感をも得られそうだ。

「私が初めて日本アニメを見た時くらいの大興奮を与えられるかはわかりませんが、ぜひ楽しんでいただけたら」と語るヨン・サンホ監督。強い思い入れがある日本市場でのブレークを果たせるか。

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