芸能界きっての仲良し親子 関根勤に聞いた“子育ての極意”

公開日: 更新日:

 芸歴40年以上のベテランでも、カメオやチョイ役ではない本格的な声優の仕事は今回が初めて。13日に公開されたばかりの「映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~」(東宝系)で、タレントの関根勤(64)がカンフーの師匠の声を務めた。「一家で大ファン」と公言するように、“クレしん”の笑いと下ネタは、誰もがうらやむ孝行娘・麻里(33)の子育てに欠かせないものだったとか。その子育ての極意とは。

■「勉強がつまらない」と言う麻里に…

「麻里とは、ずーっとおふざけ。暇さえあれば、笑わせていました。僕も小さい頃から笑いの絶えない生活だったし。この世界に入ってからも笑わせてもらってきた。友人や知人にも面白い人が多い。それで、とにかく人生は楽しいものなんだってことを教え込もうって思ったの」

 たとえば、テレビでネタにもしてきた「ケツケツダンス」である。お尻を振るダンスは「しんちゃん」の十八番だが、関根も、麻里が小さかった頃にお尻を振り、パーカッションのように叩かせていた。

「2人で一緒にお風呂に入っていた時に、麻里の顔が僕のお尻のところにあったので『ちょっと叩いてごらん』と言ったのが始まり。麻里が叩いたら、僕が『ケツケツケツケツ♪』とお尻を振る。すると大笑い、子供はお尻好きですからね」

 華やかに見える世界で仕事をしているだけに、「子育てしてねえなって思われるのは嫌だった」と言う。

「芸能人である前にひとりの社会人ですから、人様に迷惑をかけるような子供にはなってもらいたくなかったんです。たくさんの子育て本を読んで研究したら多くの本に笑いと共感が大事だと書いてあった。まさに僕にできるのはこれだなって」

 小4の麻里が「勉強がつまらない」と言い出した時も「笑い」というキーワードを盛り込みながら、共感できるまで話し合った。

「興味のないことを授業で聞き続けるのは、社会で必要な忍耐力を身に付けるための訓練と思えばいいんだって言ったんです。上司がつまらないオヤジギャグを言っても面白いですねって笑わなきゃいけない。そのためにも、言語力や数学的思考を鍛えておくと、将来役に立つよって。お父さんは全部サボってきたから大人になってイチから勉強し直したけど、麻里には回り道をして欲しくないって説明したら、納得したんです」

 その甲斐もあって、成績は常にトップクラス。ところが、米エマーソン大(ボストン)に留学した時は「リポートが書けない、消えてしまいたい」という気弱な国際電話がかかってきた。

「ここは励まさなきゃって思って、『君はずっと頑張ってきたけど、どこかで優等生の仮面をかぶってきたんじゃないか。赤点取ったっていいんだよ』と優しく言ったら、『一緒にするなよ』『赤点なんか取らねえよ』って(笑い)。共感も見事に空振りすることがあるんですねえ」

 挫折もはねのけようとする頼もしさ。父親に成長を感じさせた娘は同大学を首席で卒業し、同じ芸能界へと進むことになる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

  3. 3
    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

  4. 4
    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  1. 6
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

  2. 7
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  3. 8
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 9
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  5. 10
    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ

    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ