追悼・八千草薫さん 倉本ドラマでの「演技を超えた」瞬間

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 脚本家の倉本聰さんは自らの作品で、2007年にフジテレビ系で放送されたドラマ「拝啓、父上様」でのエピソードを日刊ゲンダイの連載「倉本聰 ドラマへの遺言」で振り返ったことがある。

 東京は神楽坂の老舗料亭を舞台にした人情ドラマで、八千草さんの役どころは舞台となる料亭「坂下」の大女将にして、元芸者。かつてのパトロンにして、政界の大物であった男の正妻(故・森光子さん)と対面するシーンの撮影で、さりげなく見せた「日本人の作法」に驚いたという。

「完全に(脚本を)超えちゃった。僕は座り方までは書けなかったですから。それはもう自分でつくって演技してるわけですよ。これが役者ですよね。僕らの知らない作法をきちんと表現してくださる。そういう役者さんと付き合いたいですよ」と。

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