カップ麺を手に持ち取材に応じた梅宮辰夫さんのおおらかさ
ある時も自宅で張り込んでいたら、梅宮さん本人が車を運転して帰ってきて、取材に応じてくれた。その最後、「きょう手術を受けてきたんだよ。直腸にポリープがいくつもできて、内視鏡手術で取ってきた」と言って笑った。小さいポリープなら日帰りも可能だが、基本的には入院が必要である。僕は申し訳なくて、「早く中へ入ってお休みください」と伝えたが、梅宮さんは「ポリープができやすい体質で、もう慣れっこだよ」と再び笑い飛ばした。
またある時は、インターホン越しに本人が答えたのだが、「テレビだから顔を出してください」と言うと、本当に出てきた。その手にはカップ麺があった。「食べ始めたところなんだよ」と言うので、食べてからでいいので待つと伝えたが、「いやあ、いいよ」とカップ麺をすすりながら話をしてくれた。ザックバランで、いつも堂々と逃げない。すごい人だった。
■自分のことより人のこと
亡くなった松方弘樹さんとは兄弟のような関係だった。3年ほど前、松方さんが長く入院していた時、自らも闘病中であったにもかかわらず、40年愛用していた弁当箱に早朝4時から作った料理を詰め込んで病院に見舞いに行っていた。40年間、現役でがんばっている弁当箱。そこに“おまえさんもがんばれ”というメッセージを込め、「たくさん食べてくれ」と言っていたそうだ。
この兄弟は釣り番組の海外ロケに何度も一緒に行っていて、梅宮さんの手料理を食べて仕事を乗り切っていた松方さんには、何よりのお見舞いだった。自分のことより、人のことを心配する梅宮さんだった。