原点は烏山ロフト「坂本龍一は天才。大物になる」と吹聴
17日に69歳の誕生日を迎えた音楽家・坂本龍一さんが「2014年の中咽頭がんは寛解して安堵していましたが、残念ながら新たに直腸がんが見つかりました」と発表した。1976年に東京芸大大学院修了。2年後に細野晴臣、高橋幸宏さんとYMOを結成。83年封切りの映画「戦場のメリークリスマス」で俳優としても注目を集め、テーマ曲も世界的ヒットを記録した。88年には映画「ラストエンペラー」で米国アカデミー作曲賞を受賞……。きらびやかな経歴の持ち主である彼と初めて会ったのは、71年3月にオープンしたジャズ喫茶「烏山ロフト」だった。
もう半世紀も前の話になる。京王線・千歳烏山駅の近くに住んでいた彼が、ロフト1号店となった烏山ロフトに顔を出すようになった。
この店はライブハウスではない。たった7坪しかなく、15人も入れば満員だった。4チャンネルの最新鋭ステレオを買いそろえ、何とかジャズが聴ける体裁を整えた。
いつも彼のそばには「芸大大学院 全共闘」と書かれた赤ヘルが置かれていた。そのころ、アルバイトで銀座の有名シャンソン喫茶「銀巴里」でピアノを弾いていた。