視聴率を左右するお天気キャスター 実は人気上位3人は気象予報士の資格なし
NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」のヒロイン永浦百音(清原果耶)は、気象情報の中継キャスターに抜擢されてもモタモタしているばかりだが、実際のワイドショーや情報番組のお天気キャスター・気象予報士たちは、災害級の熱暑、経験したことのない大雨、都心が水没するゲリラ雷雨と、特異気象続きで大忙しだ。以前は番組終盤のおまけだった天気予報が、今は目玉コーナーに格上げされ、視聴率を左右するようになった。
そんなお天気キャスターではだれが人気なのか。オリコン・ランキングによると、早朝ワイドの「ZIP!」(日本テレビ系)の貴島明日香と「めざましテレビ」(フジテレビ系)の阿部華也子がトップを争っている。
明るくてお洒落な女性がウケる
「この時間帯は通勤・通学前のあわただしい時で、専門的な解説より、きょうは雨が降るのか、暑くなるのか、何を着ていけばいいのかがわかることがポイントなんです。女性視聴者が多いので、キャスターも明るくてお洒落な女性がウケる。貴島は『non-no』の専属モデル、阿部は大分県の元ご当地アイドルですよ」(キャスティングプロデューサー)
2人の人気そのままに、「めざまし」と「ZIP!」が視聴率でも同時間帯首位争いをしていたが、最近は「グッド!モーニング」(テレビ朝日系)が割って入るようになった。MCの新井恵理那の好感度がアップしているからで、新井は「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS系)の天気も担当していて、オリコン・ランキングでは、貴島、阿部に続く女性3位。やっぱり、きれいなお天気お姉さんたちは強いのだ。ちなみに、3人とも気象予報士の資格は持っていない。
一番稼いでいるのは?
男性でもタレント系は多い。「モーニングショー」(テレ朝系)の気象コーナーで、珍妙な「ワンポイントストレッチ」を披露する片岡信和は、特撮ドラマ「戦隊シリーズ」の元ヒーロー。バキバキの腹筋はそのころからのものだという。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」にもちょい役で出ていた。「news every.」(日テレ系)の木原実、「情報ライブ ミヤネ屋」(同)の蓬莱大介も芸能活動をしていたが、気象予報士の試験を受けて転身した。
まったく畑違いの前歴は、「めざまし8」(フジ系)の天達武史と「ニュースウオッチ9」(NHK)の斉田季実治である。就活に失敗した天達は「デニーズ」の厨房で9年間働き、調理師免許も持っているが、気象予報士の試験は落ち続けた。7回目でようやく合格しても就職先はなく、ダメもとで受けたフジテレビのオーディションで「天気の達人、天達です」とやって採用された。
斉田は北海道文化放送の元報道記者。ただ、医学への夢断ちがたく、大学再入学を目指したが挫折、気象会社に転職した。気象予報士の資格は大学3年のときに取得していた。「おかえりモネ」の気象考証も担当している。
では、一番稼いでいるのはだれだろう。「Nスタ」(TBS系)の森田正光と「ひるおび!」(同)の森朗か。2人は気象会社「ウェザーマップ」の会長と社長で、ギャラは会社に入るとしても、ン千万円の役員報酬がある。「おかえりモネ」の百音はいくらか。駆け出し気象予報士の年収は400万円くらい。
(コラムニスト・海原かみな)