社会学者・宮台真司氏はなぜ襲撃されたのか? 安倍元首相銃撃事件で展開したメッセージ

公開日: 更新日:

 作品には賛否両論あり、「テロを礼賛するのか」といった抗議を受け、上映を中止にする劇場もあった。国葬では反対派と賛成派が路上でぶつかり、ののしりあう。自分とは違う意見を受け入れない、度量の狭小さが分断を招くなか、宮台氏はまた、殺害事件の背景を読み解く朝日新聞のインタビューで「自民党統一教会についてのズブズブ」などの部分を削られたことを報告。そして「(事件で)世直しがはじめて作動するような、この体たらくを我々が、政治家が、とりわけ朝日新聞のようなマスコミが放置してきたということが問題なんだ」と訴えた。

 政治に社会、メディアへの舌鋒の鋭さが際立ったが、宮台氏の発言はそれだけじゃない。地縁も血縁も分断されたような日本社会で、すべて自己責任とばかりに、命すらないがしろにされている若者や孤独な中高年へのエールのようなコメントでも知られている。

 宮台氏はあるイベントでこんな話をしていたという。

「会社と家との往復だけになりがちなサラリーマン世代に、もうひとつ別のコミュニティー『界隈』を持てと提言していた。それはセーフティーネットとなり孤独や寂しさから逃れられると。しかし、そうした面は知ろうともせず、偏ったイメージだけで言論人を批判したりする向きが増えている。その一部が刃物で切り付けるような暴挙に出たとすれば、恐ろしい」(マスコミ関係者)

 一日も早い回復が待たれる。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  2. 2

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘

  3. 3

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  4. 4

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  5. 5

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  1. 6

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  2. 7

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 8

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  4. 9

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット