矢部太郎さん 海外で勉強したい!「セーヌ川の似顔絵屋さんて絵になりそう」
矢部太郎さん(芸人・漫画家/45歳)
お笑いコンビ「カラテカ」のボケ担当の一方で芸人、漫画家として活躍する矢部太郎さん。2017年に発売した漫画「大家さんと僕」がベストセラーになり、次作「ぼくのお父さん」も話題に。今年2月に発売した「マンガ ぼけ日和」もヒット中だ。漫画家として注目の矢部さんにこれからやりたいことを語ってもらった。
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僕は結構、流されるタイプっていうか、自分でこうするゾ、みたいなのがなくて、今までも誰かに提案してもらって、今回の「マンガ ぼけ日和」も始まりは仕事をいただいたから、みたいな感じです。自発的に何かをやりたいなっていうのはないんです。
そうですね。死ぬまでというより、やりたいなって思っているのは学ぶこと、知らないことを知ることにはすごい興味があります。
■気象予報士の資格を取ったけど、苦情がいっぱい来て
2000年くらいですかね。気象予報士の資格を取ったんです。ロケで気象予報士の森田正光さんとご一緒した時に、予報士の資格を取るテストをやってみたら数問正解することができた。それで合格を目指して勉強してみたらということになって。芸人としても、資格があったらお天気の仕事ができるんじゃないかみたいな気持ちもあって、結構、勉強しましたね。芸人は実は暇で、僕ぐらいだと劇場に出ても出番10分、その後2時間空き、また10分出て2時間空きという感じで合間に勉強できたり、地方に行く時は新幹線とかでも勉強しました。
2年で試験を3回受けて、資格を取ることはでき、仕事をいただくこともできました。でも、僕は緊張すると股間とか触っちゃったりする癖があって、生放送でそれが出ちゃって。視聴者の奥さま方からはすごい苦情が来ました。「あの人の天気予報は信じられない」みたいな。面白いと思ってくれたのはスタッフさんぐらい(笑)。結局、気象予報士は仕事にならなくて、勉強になったからいいやという感じですね。
以前「進ぬ!電波少年」という番組で外国語を勉強する企画をやったことがあります。スワヒリ語とかモンゴル語とか韓国語とかを覚えてネタにして現地の人を笑わせるという企画です。その頃はまだ海外に行ったことがなくて。初めて行ったのはケニアでした。あの時は言葉を勉強して面白かったし、逆に日本のことも知ることができるなと。
だから、海外に行って住んで、勉強したいなって気持ちがあります。死ぬまでにと言われたらそれが一つかもしれないですね。今度はパリがいいです。パリには1回だけ「アメトーーク!」の胴上げ世界一周という企画で行ったことがあります。でも、エッフェル塔の下で胴上げして帰ってきただけ。食べたのもパンだけです。今度行ったら、いろんなものを食べてみたいですね。
パリは芸術の都でもあるし、バンド・デシネという漫画の文化もある。セーヌ川の橋で絵を描いている絵描きさんとかに交じって、漫画を描いてみたい。
セーヌ川の似顔絵屋さんて絵になりそうじゃないですか。僕だって知らない人が、僕の絵を見たら「何だ、このヘタくそな絵は!」みたいになるかな? でも、パリのセーヌ川で絵を描いて売って、そこでしか買えないみたいなのもいいですよね。
漫画はデジタル、iPadで描いています。普段は紙に描いていないので、紙に描く時は緊張します。以前「ほぼ日刊イトイ新聞」のイベントで、似顔絵屋さんをやったことがありますが、僕は似顔絵ではなく、8コマのマンガを一人一人に描いたんです。一人に1時間くらいかかってしまって……。他の人は何十枚も描いていたけど、僕は数枚。全然、売り上げにならなくて申し訳なかったです。
でも、パリでやれたらいいですね。ルーブル美術館とかも行ってみたいですしね。
■「アジア住みます芸人」なら台湾がいい
芸人としては、吉本には「住みます芸人」といって全国の各都道府県で活躍している芸人がいますが、それの海外版がアジアにあります。中国とか韓国、タイなど。
僕は東南アジアなら台湾ですね。一度、Eテレの番組で行ったことがあります。台湾の方はみなさんとても接しやすい感じがあって。でも、住みやす過ぎると面白い漫画が描けないかな。日本にいるのと同じで何も起きないみたいな。ただ、今の台湾の若者がどんなふうに考えているのかについては興味がありますね。