なだぎ武さんがピン芸人から脱皮できた契機…宮本亜門さんからの熱烈ラブコール
なだぎ武さん(芸人 俳優/53歳)
人気放送中の朝ドラ「ブギウギ」に易者役で出演中のなだぎ武さん。最近は俳優として注目を集めるが、舞台を中心に役者としてもやっていこうと決めたのは宮本亜門さんのミュージカルがきっかけ。経験のない歌とダンスなので、最初は断ったのだが……。
■フーテンの寅さんのマネをして得た経験
もともと映画が好きでした。それもコメディー。
外国映画では古いチャップリンやバスター・キートン。「アパートの鍵貸します」のジャック・レモンも。ドタバタだけど切なくて、人間の温かさを感じさせる映画が好きですね。
僕は10代の頃、部屋に引きこもっていたのですが、その時期にコメディー映画をよく見ていました。
「男はつらいよ」の寅さんも大好き。飄々としてノンキな旅人のイメージですが、人のために尽くす人情や優しさがあり、温かみを感じさせる。イジメにあって引きこもっていた時期だから、今思えば人の優しさや温かみに飢えていたのかな。
僕は「人とつながりを持ちたくない、自分だけの世界にいたい」と考えてましたけど、一度寅さんのマネをして旅に出てみたんです。旅先の広島県で食中毒で倒れた時は、ある旅館の女将さんに助けていただいた。その時の旅館の方との触れ合いが、僕の人生の中でも大きな出来事でした。