井上咲楽「27時間テレビ」100kmマラソンをリタイア…TV局が止められない"美談"へのこだわり プロでも重度熱中症に
真夏のマラソンでの熱中症リスクについては、プロのランナーでも問題視されている。2021年8月に開催された東京五輪では、マラソンと競歩の会場を札幌に移したが、国際オリンピック委員会(IOC)が、東京の暑さを懸念してのことだ。それにもかかわらず、東京五輪では服部勇馬選手(2時間30分8秒で73位)がゴール後に車いすで搬送。日本陸連が深部体温が40度を超える「重度の熱中症」だったと発表していた。
「日本はまだ根性論が美談として語られる傾向にあります。当時の服部選手のスポーツ紙の記事などでは本人の『絶対に最後まで諦めずに走りたいと思いました』とのコメントを引用し、《執念の完走》と美談として取り上げられました。箱根駅伝もしかり怪我や体調不良を乗り越えて走り切る姿がストーリーとして求められます。フジテレビの『27時間テレビ』も日テレの『24時間テレビ』もマラソンを止められないのは、美談としてのコンテンツとして手放せないからでしょう。まだ昭和・平成の感覚から抜け出せていません」(芸能ライター)
昨年の「24時間テレビ」では、タレントのヒロミが100キロマラソンを完走して賞賛されたが、猛暑のなか還暦間近の人間を走らせることに批判も少なくなかった。視聴者の反応をみると年々、マラソン企画に《心配で見ていられない》と不快に感じる人が増えている。