日本水泳連盟理事 萩原智子さん(35)子宮内膜症
そうはいっても、生活は荒れに荒れました。思考が停止して、頭の中から「水泳」という文字も消えるほど。家事もせず、お風呂も入らず、ソファでボーッとする無気力な日々が続き、自分が世界で一番不幸だと思っていました。しかし、ブログに病気のことを公表したところ、「私も子宮内膜症だけど出産しました」といった励ましの言葉がたくさん届きました。「意外と身近な病気なんだな。自分だけが特別じゃないんだ」と知ることができて元気づけられました
■婦人科受診「ハードルが高い」は大きな間違い
驚いたのは、手術後に初めて迎えた月経でした。なにこれ? っていうくらい無痛だったんです。先生からは、子宮がキレイになったので今から3年ぐらいが妊娠のチャンスと言われました。私は妊娠を最優先で考え、12年のロンドン五輪出場を諦めて水泳は引退しようと考えましたが、夫は「チャンスは3年ある。五輪代表選考会まではあと10カ月だから死ぬ気でやりなよ」と言ってくれたんです。先生の「重たいのを取ったから、これで速く泳げるよ」というジョークにも大笑いして、挑戦することを決めました。